小さな川に大きなダム。大雨以外の水は実は鹿野川ダムの水
山鳥坂ダムの建設予定地、肱川の支流河辺川の流量


 建設省は、山鳥坂ダムによって「新しく水を造る」と言っています。しかし、山鳥坂ダムの流域の約90%を占める植松堰流域の水のうち、毎秒3.26トンまでの水は、予子林発電所へ導水された後、鹿野川ダムへ流入しています(※トップページの地図参照。が重なる部分が植松堰流域)
 山鳥坂ダムに新しく溜められるのは、植松堰での流量のうちの毎秒3.26トンを越えた水と、植松堰から山鳥坂ダムまでの間にある水だけです。下のグラフをご覧ください。



 赤い線から下が鹿野川ダムに流入している部分です。特別流量の多い日以外は、山鳥坂ダムが建設される河辺川の水は全て(※) 鹿野川ダムに流入していることがわかります。河辺川の植松堰から下流は水なし川となっていて、賽の河原と呼ばれているほどです。
 植松堰は山鳥坂ダム完成後には廃止されることになっているので、上のグラフの赤い線より下の水も山鳥坂ダムに入るようになりますが、これは現在既に鹿野川ダムに入っている水で、山鳥坂ダム建設によって新しく得られる水ではありません
 ところが山鳥坂ダムの計画ではこのことには全く触れられていません。そのため、この総貯水容量4080万トンの大きなダムには渇水対策として中予から大きな期待が寄せられていました。


※平成9年4月からは、植松堰から下流へ毎秒0.174トン流されることになりました。